SBS情報システムは、FHIRデータ変換等アプリケーションに対応する医療DXソリューション「HeDX ETL」を開発し、販売を開始しました。電子カルテ情報共有サービスの導入に関するシステムベンダ向けのソリューションで、データヘルス改革に伴うアプリケーション開発の工数削減を目的としています。
- データヘルス改革推進に寄与するソリューション
厚生労働省が推進しているデータヘルス改革では、電子カルテ情報を患者本人が閲覧できる仕組みとともに、全国の医療機関などが閲覧できる仕組みの導入が検討されています。
具体的には、オンライン資格確認システムのネットワークを利用し、電子カルテ情報共有サービスを介して3文書(診療情報提供書、退院時サマリー、健診結果報告書)・6情報(傷病名、アレルギー、感染症、薬剤禁忌、検査[救急、生活習慣病]、処方情報)を閲覧可能にすることを目指しています。
また、データ交換用のフォーマットには、HL7 FHIR(Health Level Seven Fast Healthcare Interoperability Resources)が採用されています。今後、電子カルテシステムなどが電子カルテ情報共有サービスとの連携に対応するためには、各システムがHL7 FHIRを出力でき
る必要があり、求められる機能を実現するには、多くの時間とコストが要求されます。
当社は、この課題を解決すべく、電子カルテ情報共有サービスの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書におけるFHIRデータ変換などアプリケーションに対応する医療DXソリューション「HeDX(へデックス) ETL」をリリースしました。
- データ連携アプリケーションの作成・管理を簡便化
HeDX ETLは、データ連携アプリケーションを作成し管理できるツールです。既存の病院情報システムが管理するRDBやSS-MIX2といった様々な形式のリソースをHL7 FHIR形式に変換し、変換結果を出力する機能を作成・管理するための仕組みです。
作成は基本的にノーコードで行うことができ、さらに作成したリソースの再利用やデバッグも可能です。ETL機能により、Extract(抽出)・Translate(変換)・Load(ロード)の一連の処理を実現します。作成したデータ連携アプリケーションは、「データの抽出」、「データを標準形式に変換」、「データの転送」の順に処理されます。
また、HeDX ETLに属する一連の機能は、 HeDX ETL Editorで開発・管理することが可能です。
▼電子カルテ情報共有サービス連携図

- 医療情報標準化の知見を生かして開発
HeDX ETLは、電子カルテ情報共有サービスFHIRデータ変換等アプリケーションに対応(3文書・5情報)しています。
開発元の当社は、電子カルテなどのヘルスケア関連システムを長年にわたり開発しているため、医療情報に関する実績が豊富であるとともに、日本HL7協会、SS-MIX普及推進コンソーシアムなど標準化団体にも加盟し、活動しています。また、SS-MIXを含めHL7を利用するシステム開発や、IHE-J 2023 コネクタソンにおけるHL7 FHIRをベース
としている統合プロファイル PDQm(アクタ:Patient Demographic Consumer)に合格した実績もあります。
これらの実績をもとに、HeDX ETL導入時や運用サポートを柔軟に対応します。電子カルテ情報共有サービスの普及を進めるツールとして、電子カルテ・部門システムベンダ様のDXにも支援します。
- 当社及び他社製電子カルテに対応
当社の電子カルテシステム「PrimeKarte」は、「HS036 処方情報 HL7FHIR記述仕様」、「HS038 診療情報提供書 HL7FHIR仕様」、「HS039 退院時サマリー HL7FHIR仕様」に対応しました。
また、HeDX ETLにより当社以外の電子カルテシステムであっても、電子カルテ情報共有サービスとの連携が可能になります。
SBS情報システムでは、今後もお客様のニーズをいち早くキャッチし、時代の流れに沿った新たな技術や方法を取り入れてお客様の満足度の向上に努めてまいります。