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あいマッチ導入事例 medical B.I.G. net®事務局様

medical B.I.G. net®事務局様インタビュー

medical B.I.G. net®構想の背景と概要
未曽有の超高齢化社会を迎えるにあたり、2012年に国の地域包括ケアシステムが策定され、これを受けて2016年に神奈川県の地域医療構想が示された。前者の段階では病院は地域医師会との連携を密にすることが役割で、介護との連携は包括支援センターやケアマネが推進していくものと理解していた。ところが地域医療構想では病院の機能分担と急性期病床削減が強く求められていた一方、湘南西部医療圏ではどの急性期病院でも急性期を脱した患者の転出先には苦慮し、その在院日数は県内他地域の病院に比して長期化しており、大きな課題であった。この間4年が経過していたが、介護との連携には進展が見られず、医療側からアプローチしないとこの地域の地域医療構想は構築できないと考え、地区病院協会と二次医療圏内の三医師会長と相談し、急性期病院から回復期病院・在宅医療・介護施設への転出を推進するシステム造りを目指すこととなった。

medical B.I.G. net事務局_logo1.jpg個人情報管理、電子機器の互換性、操作の簡便性を考慮した結果、本ネットワークでは個人を特定する情報は扱わないこと、電子カルテを介さないこと、容易に自施設情報を更新可能であることを条件とした。これらを踏まえてクラウド上で双方向の情報交換システムを構築し、同時にこれまでの電話やFAXも活用して転院転出の推進を図ることとした。
介護は行政が主体であるため、名称をmedical B.I.G. net(B:病院協会、I:医師会、G:行政)とし、2021年には商標登録を行うことができた。

「あいマッチ」採用理由とそのメリット、今後の期待

当初は複数のシステム会社と我々の構想について相談していたが、一からのシステム構築に難渋していた。その中で我々の考えと共通性が高い医療と介護を繋ぐ連携システムが、静岡で稼働していることを耳にした。その会社(SBS情報システム)から話を聞いたり、実際に使用している声を聞いてみると、「あいマッチ」に若干の改修を加えることで、我々が想定しているネットワーク造りが可能であることが明らかになった。システム会社決定後は開発にかかる時間や費用が大きく節約できたため、医師会および病院側使用者(主にMSW)との調整を経て本格稼働まで2年という速さで、医療圏内20病院、8診療所、11介護施設が参加したmedical B.I.G. net®が動き出した。

このような短期間でシステムが構築できたのは、SBS情報システムが我々の会合に毎回出席して我々が目指すところを理解してくれたことが大きかった。また、会合で出された意見を次の会合ではすぐに形にして、理解できるように説明をし、何度も試行錯誤に協力いただいたSBS情報システムの姿勢にはあらためて感謝している。
 医療・介護の状況は社会情勢とともに変化していく。それにつれてネットワークに要求される機能も変化すると考えられる。現在の信頼感があれば、今後の必要な変化にも対応できていくものと期待している。

medical B.I.G. net®今後の予定・展望

2020年4月から本格稼働となったが、COVID-19のため関係者が顔を合わせての打合せができず、7月からWebでの会議を行いながら利用を進めることとなった。それでも少しずつ前進していることは、本システムの利便性や有用性が理解されてきたものと考えている。初年度は事務局も慣れないため、会員を入院入所設備のある施設に限定して運用してきた。そして2021年度以降、全介護事業所にも拡大可能と判断し、在宅医に加えてケアマネ・訪問看護師等を含めた介護事業所への広報を行い、少しずつ会員が増えつつある。また、地域が拡大すればより広域の医療・介護連携の利便性が高まるとともに、住民にとっても有用性が高いと判断し、湘南西部医療圏を超えた広報活動を開始している。
medical B.I.G. net事務局_Clipboard01.jpgmedical B.I.G. net®は緒についたばかりではあるが、地域連携の一つの指標である退院時共同カンファレンスへの活用も進めている。カンファ関連施設の日程調整や資料の事前配布などにこのシステムは活用できると感じている。
医療と介護の間にある遠慮や壁は大きくて高いが、互いが直接的に連携できて相互理解が進めば、病院、在宅医、介護事業所が強固に結びつくことになり、超高齢化の大きな波にも地域として対応していけるものと期待している。

まとめ  参加検討中の施設へのメッセージ、他

本格稼働2年目も過ぎようとしているが、当初考えていたよりも使用者にとって利便性が高いとの声があるのは、事務局にとってうれしい限りである。何よりも会員諸氏の声を基に、より使いやすいシステムにすることにSBS情報システム自体が積極的であることは、我々にとって大きな力となっている。
現在はMSWが主に利用しているが、退院支援看護師やケアマネなどより多くの医療介護関係者に活用いただければ、一層使いやすいものに改善できたり、新しい活用法も見えてくることが期待される。
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医療と介護の連携強化に興味があり、新規参加を希望される医療介護関係の方々には、一定期間の無料お試し期間も設けて、使い勝手を見ていただけるようにしている。事務局にご一報いただければ幸いと考えている。
なお、medical B.I.G. net®事務局ホームページを開設しているのでご覧いただきたい(検索サイトから medical B.I.G. net で検索可能)。
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medical B.I.G. net®
事務局長
丹羽 明博 さま