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医療DX最前線:焼津市立総合病院様とともに FHIR実装がもたらす新たな医療連携の形

 国が進める医療DXの中核「電子カルテ情報共有サービス」。SBS情報システムは静岡県モデル事業において、焼津市立総合病院様(所在地:静岡県焼津市、院長:関常司、病床数:423床)と共に他ベンダに先駆けたFHIR連携を実装しました。その先進的な取り組みと実績を報告します。

はじめに:国家プロジェクト「電子カルテ情報共有サービス」の始動

 現在、日本の医療現場では、厚生労働省主導のもと「医療DX」が加速しています。その中核を成す「電子カルテ情報共有サービス」は、マイナ保険証の仕組みを基盤とし、全国の医療機関や薬局間で患者様の診療情報を安全に共有する国家的な基盤整備です。
 このサービスにより、救急搬送時や災害時、あるいは初めて受診する医療機関においても、患者様のアレルギー情報や過去の薬剤処方、検査結果などを即座に把握することが可能となります。これにより、重複検査の防止や処方の安全性向上が期待され、まさに「医療の質と安全」の次世代スタンダードを築く取り組みといえます。

▼ 画像出典:厚生労働省「電子カルテ情報共有サービスの検討事項について」

SBS情報システムの技術的挑戦:標準規格「HL7 FHIR」への完全適合

 当社は、この大きな変革に対し、自社開発の統合型電子カルテシステム「PrimeKarte(プライムカルテ)」の機能拡張を迅速に進めてまいりました。現在、当社は厚生労働省より「対応システムベンダ」として正式に認定されています。
 特に技術的な障壁となったのが、次世代医療情報交換規格「HL7 FHIR」への対応です。当社は、診療情報提供書や退院時サマリーなどの「3文書6情報」をこの標準規格で正確に送受信できるよう、高度なデータ変換エンジンを備えた「HeDX ETL」を独自に開発しました。このソリューションにより、複雑なデータマッピングをノーコードで実現し、医療現場の負担を最小限に抑えつつ、迅速な情報連携を可能にしています。

静岡県モデル事業の象徴:焼津市立総合病院様における「先駆的実績」

 全国に先駆けて実施されている「静岡県モデル事業」において、当社と強固なパートナーシップを築いているのが、焼津市立総合病院様です。同院は当社の電子カルテユーザとして、本サービスの導入にいち早く取り組まれました。
 特筆すべきは、2025年3月において、診療情報提供書および傷病名をHL7 FHIR形式でサービスへ送信する機能を、他病院・他ベンダに先駆けて実装させたことです。これは、モデル事業に参画する多くの基幹病院の中でも極めて迅速な対応であり、国内における先行事例となりました。
 現在、健診など等の一部項目を除き、本サービスを用いた情報共有をいち早く実現させています 。この先行実装を通じて得られた「実環境でのデータ変換の精度」や「医師の運用フロー」に関する知見は、当社にとっても、そして国が進める全国展開においても、極めて価値の高いフィードバック材料となっています。焼津市立総合病院様の先進的な姿勢とご協力が、日本の医療DXを一段階上へと押し上げたと言っても過言ではありません。

展望:静岡から全国へ、医療の未来を創造する

 静岡県モデル事業では、浜松医科大学医学部附属病院をはじめとする6つの基幹病院が連携し、相互運用性の検証を続けています 。当社は焼津市立総合病院様での成功をモデルケースとし、他病院様との情報連携対応も引き続き迅速に進めてまいります。
 医療情報の共有は、単なるデータの受け渡しではありません。それは、どこにいても最適な医療を受けられる「安心」のインフラを創ることです。SBS情報システムは、これからも最新技術と現場の声を融合させ、地域医療の質向上に貢献し続けてまいります。