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「あいマッチ」地域医療・介護サービス資源情報管理システム 神奈川県湘南西部二次医療圏で本格運用を開始

 神奈川県湘南西部病院協会 medical B.I.G. net事務局様(丹羽明博事務局長 平塚市追分)は、地域の医療・介護資源の把握・管理、転院先への折衝などを支援するクラウドサービス「あいマッチ」を採用し、2020年4月より本格運用を開始しました。

退院調整の現実と課題

 平塚市、秦野市、伊勢原市、中郡(大磯町、二宮町)で構成する湘南西部二次医療圏では、地域包括ケアシステムの構築に向け課題整理と解決策が検討されました。
 県の実態調査では医療区分1の患者の「退院困難率」が神奈川県全体に対し20ポイント上回る68%を占めています。また、急性期病院における退院調整の状況では、退院困難患者1名の転院先を探すために必要な時間数が約15時間、電話連絡回数が最大96回という報告もありました。

medical B.I.G. net構想を支援

 湘南西部二次医療圏は医療の自己完結率が約90%と高く、病院間で機能分担の明確化が進んでいるなどの特徴があり、ネットワークの構築により急性期病院からの患者の転院転出の円滑化が図られることで、病床の機能分化や病床利用のさらなる促進が期待されました。そこで、病院・在宅・介護機能をネットワーク化するmedical B.I.G. net構想が、県の地域支援事業(神奈川県)に採択されシステム構築が進められました。
 構想名称に含む「B.I.G.」は、B(病院協会)、I(医師会)、G(行政)の略で、三位一体を目指す構想には①知りたい施設機能がみえる、②伝えたい施設の特徴を発信する、③匿名で患者病態の概略を共有する、の3つのポイントがあります。「あいマッチ」はこの構想に近いシステムとして採用いただき、昨年度に急性期・回復期・慢性期病院、医師会、行政による検討を踏まえテスト運用まで完了しました。そして、2020年4月より現状の電話・FAX等の交渉に「あいマッチ」を併用しつつ、参加施設による事業費負担のもと本格運用が開始されました。

あいマッチの導入効果

 「あいマッチ」はインターネット接続可能なパソコンで使用でき、病院との連携施設、地域(自治体、医師会)もしくはグループ施設内による導入で効果を発揮するクラウドサービスです。
 SBS情報システムは、システム導入により入退院調整業務の効率化、急性期病院からの転院促進による稼働率の向上、医療と介護の連携促進など、期待される効果を実現するよう全国へ「あいマッチ」を提案していきます。
 今回のシステム導入にあたり、medical B.I.G. net 事務局様をはじめ関係の皆様には、多大なるご協力を賜りました。この場を借りて深く感謝申し上げます。