藤枝市様は2021年7月「令和3年度「オープンイノベーション」による地域課題解決に向けた企画提案」の募集を実施しました。株式会社静岡新聞社、株式会社SBS情報システムは、ごみの戸別回収業務を効率的に行うソリューションを提案し採択されました。2022年2月に、ごみ戸別回収を対象とした回収ルート最適化実証実験として、近く見込まれるサービス利用者の増加を想定したシステム導入を試行しました。
- オープンイノベーションの推進
藤枝市様では、ICTを活用した市民サービスの質の向上、市内産業の革新、多様なアイデア・ノウハウ・技術の集積を目指し、課題解決型実証実験を公募しました。
静岡新聞社・Future Creation StudioとSBS情報システム・次世代ソリューション開発本部による共同提案が採択され、取組みを進めてきました。
- ごみの戸別回収業務での課題
藤枝市様では、身体が不自由な方を対象に、各戸を軽トラックで順次訪問し、ごみを回収するサービスを行っています。利用者による回収頻度の違いや、臨時連絡により回収不要となる場合もあるため、訪問先や運行ルートは回収する日によって異なります。現状では、過去の実績を参考に担当者の判断で対応できていますが、今後の利用者増加を見込むと労力の増大が懸念されます。
そのため、回収ルートを自動的に策定するシステムを開発し、それを用いた実証実験により効果を検証することにしました。
- システムによる自動化を検証
市内に点在する利用者の住居を、運行する車両台数に応じて振り分けし、最短経路となるルート順をシステムで提示します。
ナビゲーションアプリと連動するため、ドライバーは画面に表示される順番に従って移動するだけで、土地勘が無くてもスムーズに各戸へ訪問できます。回収が済んだ時は簡単なタッチ操作でごみの量を記録します。
▼ナビケーションアプリ用の端末を設置した収集車の運転席

- システム導入の効果
回収業務への適用と改良を繰り返した結果、効率性や操作性の面で業務適用が可能なレベルと判断できました。また回収本部で、ダッシュボード画面による進捗状況をリアルタイムで確認できます。
近い将来、サービス利用者が増加していくことを想定すると、当日の回収ルート策定条件が今よりも大幅に煩雑化することが見込まれます。本システムを利用することで、効率的なルートを自動で策定でき、収集先のナビゲーションがされます。そのため急な担当者変更などがあっても担当者の経験に左右されず円滑に業務を行えるといった面で大きな効果を発揮するものと期待できます。
本実証実験の取り組みにおいて、藤枝市・環境水道部生活環境課の皆様、企画創生部情報デジタル推進課の皆様には多大なご指導・ご助言をいただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。
▼ダッシュボード画面で回収状況の進捗を確認
